中学受験では、算数が難しくなると言いますが、算数を鍛えるためにはどうしたらいいでしょうか!?
というような、相談をよくもらいます。いろいろありますが、まずは、最初の1歩の幼児期から説明していきます。
幼児期は、まず、計算です。とにかく計算!!
計算というより、勉強は(勉強だけではないかもしれませんが)基礎が超重要で、基礎をおろそかにしては得意にはなれません。
まずは、勉強から遠ざかってしまう理由から話をしていきます。
勉強を苦手になる原因ってなんだろう?
勉強って難しいんですよね~。特に算数は難しいです。
上記ブログの通りでもありますし、積み上げの教科と言われています。既習範囲の理解がないと、解けない問題が多く出てきます。
例えば、「1ケタ+1ケタ=1ケタ」の計算ができないと、
「1ケタ+1ケタ=2ケタ」の計算はできないですし、
「1ケタ+1ケタ=2ケタ」ができないと、「2ケタ+2ケタ=2ケタ」の計算はできません。
最初の一歩でつまづくと、永遠につまいづいてしまいます。
このような事態を避けるためにも、幼児期の「数」で遊ぶ最初の一歩から、超重要になります。
「勉強が人よりも、ちょっとだけよくできる」ようになると良い理由
上記で、勉強は難しいから子どもは避けてしまう、というお話をしました。
では、勉強を避けないためにはどうしたらいいでしょう。
答えは簡単!勉強が「得意」であればいいのです。
「得意」というのは、なにも難問がいっぱい解ける、とかそういうことではなく、まずは、「勉強が人よりも、ちょっとだけよくできる」という状態でいいと、私は考えています。
「勉強が人よりも、ちょっとだけよくできる」と、子どもは自信がつきますし、「勉強大好き♡」とまではいかなくても、「勉強やろうかな」という気持ちにはなると思います。
「勉強が人よりも、ちょっとだけよくできる」には、学校の授業で先生からの解説を聞いたときに「その単元、知ってる!」となる状態にしておけばいいのです。
予習です。
できるなら、予習はすればするほどいいと考えています。
もちろん質も大切ですし、子どもの理解の幅に個人差がありますので、多少のさじ加減は必要ではあります。
予習と言っても、幼少期では、机に向かい、ワークをただひたすらに解くだけでは、続かないですし、つまらなく感じてしまいます。
大好きなお母さんやお父さんと一緒に、数を楽しむ感覚で勉強するのがオススメです。
計算ができるようになるために幼児期にできること。
冒頭でもお話しましたが、算数は、計算!とにかく計算!!計算が命です。
数の概念を知る。数唱と数量の一致をさせる。
数唱とは、数を唱えられること。数量とは、数を数えられること。です。
最初は耳から覚えた「いーち、にー、さーん」と言えるようになると思います。(これが数唱です。)
数唱ができるようになっても、数が分かるわけではありません。
2個のりんごがあり、「これ何個?」と聞いても、数唱だけできている子は分かりません。
数量を理解して、数唱と一致させて、初めて2個のリンゴを見て「2個のリンゴだ」と認識します。
数量を理解するためには、日常生活から、数量を意識した声かけや実体験を増やしていけるといいですね。例えば、「イチゴ2個食べようね。お皿に置くね。いっこ!にこ!」など、数唱と数量を一致できるような語りかけや、「絵本5冊読もうね。1冊、2冊…」と横に一緒に置くとか、わざわざ何か新しいことをしなくても、普段の行動に、少し言葉を足すことで、どんどん一致していくと思います。
1ケタ+1ケタ=1ケタの問題に数多く取り組む。指を使って視覚的に計算しよう。
おそらく、「算数」と言える勉強の最初の第1歩は、「1ケタ+1ケタ=1ケタ」の問題ではないでしょうか。
勉強は、基礎が超超超重要なので、基礎を幼少期から固めていくのが良いです。
「1ケタ+1ケタ=1ケタ」の問題は、比較的簡単で、1~10までの数唱と数量が一致していたら、すんなりできてしまう子は多いです。
一度できてしまえば、次!次!と進めたくなってしまうのも、よく分かりますが、まずは「1ケタ+1ケタ=1ケタ」の計算の質を上げることが重要です。
正確性とスピードです。
とにかくたくさんやる!ということに尽きるのですが、ポイントは指を使って、視覚的に計算をすることです。
子どもは右脳が優位と言われています。右脳は、直感や感情をコントロールするイメージ脳と言われており、無意識に大量の情報を自動的に高速処理し、それらに理解を必要としません。
例えば、「1+2」という問題があれば、小学生になっても指を使っても問題ありません。
両手で「1」と「2」を作り、指の数を数えたら「3」です。
視覚的に見て、「3だ!」と分かった方が、イメージとして右脳でどんどん処理していくので、右脳が優位に働いている子どもには、分かりやすく、イメージしやすいのです。
これをいろんな数のバリエーションでたくさんやる、というイメージです。これなら難しくないので、机に向かわなくてもできます。
お風呂に入ってるときに、お母さんやお父さんが、ぱっとお指を出して「いーくつだ!」と問題を出します。子どもはこの指を「1、2、3、4、5」と数えて、「5」と答えたら、立派な計算問題です。「2+3=5だね」と言ってあげればいいのです。
急に難易度を上げず、しばらくは同じようなレベルの問題をひたすら行い、スピードアップと正確性を高めていきましょう。
10の補数を意識して、計算を行うように誘導。
補数とは、元の数を足したときに桁上がりする「最小」の数のことを指しています。 例えば、10進数の7の補数は3、77の補数は23といった具合です。
幼児期はまずは10進数の「10」になる組み合わせだけで大丈夫です。
「1と9」「2と8」「3と7」「4と6」「5と5」を覚えさせればいいのです。
大人にはとても簡単に覚えられると思いますが、子どもに覚えさせるのは、数字だけ見せても難しそうですよね。
ここでも視覚的に指で見せてあげればいいのです。
「これ、何本だ!?」と聞きます。ぱっと「7」と答えられると最高ですが、1本ずつ数えて「7」と答えても良いです。
「これにあと何本たせば、10になるでしょう?」とさらに質問を追加します。
「2」の指の方のまだ折れている指を数えたら「3つ」ありますね。
同じように「1と9」「2と8」「4と6」「5と5」を教えてあげ、繰り返し行っていると覚えていきます。
10の補数は、もう少し月齢が上がると出てくる単元「繰り上がり」「繰り下がり」で必要な概念となります。今のうちに、頭に入れておくと後々楽です。
まとめ
以上が、算数の超初期の取り組みでした。
幼少期からの机に向かった勉強ももちろん最低限は必要だと思いますが、親子で楽しく数で遊ぶと思うと、お母さんやお父さんの気も少し楽になるのではないでしょうか!?
「視覚的」(指)と「聴覚」(声かけ)を使って、算数の基礎となる「数遊び」を親子で楽しめるといいですね。