中学受験は年々需要が高まっている!?
昨今、中学受験は需要が高まりつつあると感じています。
少子化の影響で、子ども一人にかける教育費が増えていると言われたり、
「教育費は投資だ」という言葉もあるように、質の良い教育を受けさせて将来のカムバック(将来の子どもの収入)を期待することもあるでしょう。
首都圏の中学受験熱は過熱を増す一方です。
私は約20年間学習塾を運営する中で、多くの中学受験生を見てきました。
様々なレベルの私立・国立中学に合格した子、残念ながら不合格だった生徒。
ドラマのような言い回しになってしまいますが、一家庭、一家庭にそれぞれの物語やドラマがあります。
私は職業上、1月には毎年受験がやってくるわけですが、毎年全然違った緊張感があり、本当に飽きない職業だな、と毎年実感しています。
このような経験の中から、私が個人的に感じる中学受験のメリットを紹介します。
「中学受験が良い、全員中学受験をすべきだ!」という偏った意見ではありません!
後日「中学受験のデメリット・注意点」の記事も配信する予定です。
中学受験をするメリット【受験勉強編】
小学生で多くの知識が身に着く。知識を活用できる場が広がる
中学受験をする子としない子では、勉強量にかなりの差がつきます。
受験する中学の難易度によって違いはありますが、
一般的に中学受験する平日の勉強時間(学校・塾の時間を除く)は、
小学4・5年生は1時間〜3時間、小学6年生は3〜5時間、
休日の勉強時間(学校・塾の時間を除く)は、
小4生で2〜4時間、小5で3〜5時間、小6で5〜8時間と言われています。
小学6年生になると、中学3年生の高校受験生と同じか、それよりも多い勉強時間となります。
しかし、中学受験をしない生徒は小学校高学年の子は、だいたい1時間半前後と言われています。
小6の生徒では、中学受験をする子としない子で、1週間に約20時間の差がついてしまうことになります。
これだけ勉強時間の差があれば、身に着く知識量は格段に違うということは、容易に想像できます。
中学受験をしなくても、高校受験のときに同じような勉強量・勉強内容をするはずだから、「いつするか」の問題で、最終的には、同じ知識量になるのではないか!?
上記のように思う人もいるかもしれません。
しかし知識は年齢が小さいうちに得た方が、活用する場面が多くなり、より深く定着することとなります。
また、中学受験では、小学校の教科書を超える内容が多くあり、「中学受験をしなければ学習しない範囲・単元」は多くあります。
また、その範囲・単元の知識や考え方が大学受験の時に役立つ、というデータもあります。
忍耐力・粘り強さが身に着く
中学受験は、絶対にすべき受験ではありません。
住んでいる地域によりますが、中学受験生は、多くてもクラスの半分ほどの生徒ではないでしょうか。
例えば、公立中学校では高校受験はほぼ全員がするため、中3の1月からはクラス全体が「受験モード・勉強モード」になり、教室をそれなりの緊張感で溢れます。
中学受験では、このようなことは起こりません。
中学受験をしない子は、中学受験シーズンになってもいつもと同じように、学校が終われば友達と遊んだり、趣味や娯楽を楽しみます。
その中で、中学受験をする子は、自分を奮い立てて勉強に励みます。
友達が遊ぶ約束をしているのを横目で見ながら、友達がゲームやYouTubeの話をするのを片耳で聞きながら、
「いつでも辞めれる」環境の中いろいろな誘惑を乗り越え、自分の目標に向かい、難しい勉強をします。
その姿は、小学生でありながら本当に頭が下がります。
このような経験が「忍耐強さ」「夢・目標に立ち向かう粘り強さ」を強化していると考えられます。
親が主導権を握り、受験の方針を決めることができる
語弊はありますが、小学生は勉強や受験のことだけではなく、日常生活において親の判断に従う子が多いのではないでしょうか。
小学生って、「お母さんに聞かんと分からん!」って言いますよね。
そのため、中学受験においても親の意向が多く反映されます。
志望校、受験校、受験日程、塾の受講科目・受講数、などなど。
親の取捨選択した選択肢の中から、子どもが最終判断をする家庭が多い印象です。
そのため、親の意向から大きく外れた選択をする子どもは、あまりいません。
良し悪しありますが、やはり親(大人)の意見は冷静さや現実味があります。
(もちろん、そうでないこともありますが、少数派です。私の個人的体感では。)
例えば、高校受験をする中学3年生の子は、親や周りの大人が何を言っても、
俺は絶対にこの高校を受験するんだぁぁ!でも勉強はしないぞ!!
と言って、合格可能性の低い高校を受験したり、親の思い描く受験生活や希望通りにならないことは多いです。
※もちろん、全員ではありません!!
小学生の方が、親の意見を素直に取り入れる率が高いと感じます。
他にも、小学生の方が親に分からない箇所を質問できたり、相談できたり、コミュニケーションが密になります。
親が子どもの状況を理解できれば、塾や学校と連携が取れるため、子どもを多方面から支えることができます。
中学受験をするメリット【中学進学後編】
大学受験に向けて、中高6年間で大学受験対策ができる
中学受験をする目的は、「大学受験のため」というご家庭が多いと思います。
一般受験で大学を受験する場合、受験の準備期間は長い方が有利です。
中学受験をし、中高一貫校に通うと多くの場合高校受験はありません。
そのため、中高6年間で大学受験対策をすることになります。
下記は、中高一貫校と高校3年間で大学受験をする場合のスケジュールの比較です。
最終ゴールを「大学受験」とすると、すべき勉強は「①中学生の範囲学習」「②高校生の範囲学習」「③大学受験対策」となります。
高校受験をする場合は、そこに「高校受験対策」と「高校受験」が入ります。
中学生の勉強より、高校生の勉強の方が圧倒的に難易度が高いため、
中学生の範囲学習は短めに、高校生の範囲学習と大学受験対策は長めにとる方が効率が良いです。
このように考えると、大学受験をゴールと考えると、中高一貫校の方が効率に的に勉強ができます。
質の高い教育を受け、同じレベルの子と切磋琢磨できる
中学受験をし、合格・進学する先の中学は、自分と同等の学力や経済力を持っている子が多いはずです。
多くの生徒が、同等の学力で「大学受験を目指す」ことは、切磋琢磨して勉強できる環境が整っていることが考えられます。
一般的によく言われる「不良」や「ヤンキー」は、公立中学に比べると少ないかもしれません。
また、中学独自の教育システムがあるところも多いです。
例えば、夏休みの補習として授業を行ってくれる学校、学校の授業をオンラインでいつでも視聴可能にしている学校、チャットで分からない問題の質問対応してくれる学校、などなど。
公立中学校では、受けれない手厚い教育を受けれる中学が多い印象です。
学校により、提供してくれる教育が違うため、子どもに合う中学を探したいですね。
思春期・反抗期真っ只中の時期に高校受験がある
高校受験時、子どもは15歳。思春期・反抗期真っ只中です。
上述の通り、小学生はある程度、親の決めた選択肢の中から決めることが多いですが、中学生になると、そうはいかないことが多いです。
中学生になると、親の意向から大きく外れる子どもは増えます。
それ自体は全く悪いこととは思いません。自分の人生を子どもなりに真剣に考え始めた、ということなので、むしろいいこととも言えます。
ただ、親子喧嘩が増えてしまったり、親子関係が悪化しやすくはなります。
社会性が身に着くのが早い(気がする。)
またまた語弊が生まれるような言い方になってしまいますが、
私立中や国公立中などの中学受験して入学する中学に通っている子の方が、〝しっかり〟しているように思います。
例えば、私立中に通学する子は、多くは電車やバスを使い、遠くの学校に通っている子が多いのではないでしょうか。
中1のときから一人で電車に乗り、目的地の駅で降りて、歩いて学校まで通うということをするだけでも、難易度はグッと上がります。
一人で通学しているだけで、しっかり度は上がっている気がします。
地元の公立中学校に通うと、一人で電車に乗るという経験は少なく、高校受験のときに初めて一人で電車に乗るという子は結構たくさんいます。
高校受験の前に「受験校にたどり着けるか心配」という声はよく聞きます。
他には、「自分はつらい中学受験を乗り越えられた!」という自信が外見に出て、
「中学受験が終わってから、急に大人びたなぁ~」という子は多いです。
まとめ
以上、中学受験をするメリットを紹介しました。
今後、中学受験関連の情報をまとめていく予定です。そちらもご覧ください。